■9/1 **もしや初めての世界遺産** |
起きると昨夜飲みに行っていたはずの同居人2人が、あれだけの大荷物ともにすでにいなくなっていた。あぁ、そうかこのサマーホテルの営業は今日まで、彼らも大学の寮に戻るのかな。なんて余裕かましてる暇なぞなく、またしてもぐっすり寝てしまったようだ。 早いとこ支度して出る。ロビーは戻ってくる元居住者達と宿泊客でごった返し。こりゃチェックアウトを待っても意味無いなと思い、椅子も何もかも片してしまってある談話室チックなところでネットをする。有料なはずだけど、もう慌しいから勝手にどうぞって感じだったので勝手に使ってた。したら、親切にも椅子を持ってきてくれた。あの、お金払ってないですけど、って言ったらOK,OKとのことでした。 で、ロビーも落ち着いた頃にチェックアウト。ここの人は明らかに学生風な人達で、おそらくここに住んでる人なんだろうなって印象。夏の間、帰るとこもないからここでバイトしてますって具合か。あまりフレンドリーじゃなかった(てか、向こう同士で仲良し)けど、どうも〜ってさよなら。 さあ、今日は世界遺産ですよ。なんと、人生初の世界遺産ではないですか。あっ、知床を入れてもいいのかな。にしても、海外の世界遺産は初めてなわけです。ごーし君的にはプレーケストレーンは世界遺産入りしてもいいと思うんだけど、まあ、観光客が増えちゃうのもあれなので、いいかな。で、この世界遺産ってのがスオメンリンナ島。フィンランドの南海岸を守る要塞島だってさ。 で、このスオメンリンナ島まではフェリーで15分くらい。早速バッグとスケボーをスーツケースを入れといたロッカーに押し込み、フェリー乗り場へ。フェリー乗り場は昨日はもう終わり時だったマーケット広場の近く。フェリーを1時間余裕見てチケット買い、昼飯がてらマーケットプレイスを巡る。 うーん、いいじゃないですか、これ。フルーツ天国なお店から八百屋さん、お土産物屋さん、ご飯屋さんと何でもござれ。イチゴをパック買い、そしてキレイなお姉さんからパエリヤを買い、お昼ご飯。イチゴがいくつか腐ってたのが気になったけど、おいしかったからいいです。これでも2つで7ユーロくらいだった。今までの北欧の旅を考えれば決して高くないお昼ご飯だよ。ノルウェーだったらホットドッグとコーラでこの値段いくよ。帰るときにお土産も買おうと思ったであります。 んで、時間になったのでフェリーへ。フェリーと言っても小船だよ。天気が良くていいよー。最近は曇り空が多いから、このヘルシンキ滞在のときは運が良かったなー。陽のあたるテラス(?)席に座り、島までぼんやり。やはり島に建つ一軒家が羨ましい。なんていい生活だ。南の島以外に自分の島を持つってのはイメージしてなかったねー。いいなー、是非島を持ちたいです。でも、とりあえず家が建ってない小島は無かったので、あれはきっと代々受け継がれてしまうのでしょう。養子にしてもらおう、そうしよう。 まあ、そんなことしてるうちに要塞とやらに着きますよ。おぉ、潜水艦まである。なんとも要塞な。さて、これから巡るわけですが、この島、島全体が世界遺産に指定されています。だから島全体が博物館みたいな、そんな島だと思っていました。しかし、それは大間違い。普通に人が住んでます、のんびりと、世界遺産で。なんてこった!うらやまっ! で、このノンビリという表現がまったく嘘にならないくらい、この島は本当にノンビリ臭が出てます。てか、フィンランド全部ノンビリだな。ヘルシンキだって首都だって言っても東京に比べたらずっとノンビリだよ、当たり前だけどさ。で、この島おいらはとても気に入りました。やはりノンビリ気質が合うのか、半日かけてぐるーりと。たぶん観光スポット的な島は一番南の大きな島なんだろうけど、まったく観光客のいない北西の島から行ってみました。 この北西の島は本当に居住地って感じ。その手前の最北の島にはなんとNaval Academyがあって、おそらく寮とかなのかもな〜とか思いました。で、この島の最大の見世物がきっと大砲なのでしょう。要塞の名残を残す大砲、そしてトンネル、はたまた破壊された跡、戦争は良くないってことを込めて残したのでしょう。で、南の島にはいっぱい大砲もトンネルもあるのですが、北西の島には誰も寄り付かない大砲がありました。周りもあまり踏み固められていない草がボーボーで、穴場的大砲だったはず。今や栄えるヘルシンキの街をバックに大砲が太陽に照らされ光ってる様はなかなか良かったです。きっとフィンランドの人が見たら、もっと"いとをかし"なのでしょう。 さて、この島の見物は大砲とトンネルですが、地元の人も観光客も、何よりここを散歩道として楽しんでいます。トンネルを通って行くのはかくれんぼしてるみたいで楽しいし、海岸沿いを歩けば素晴らしい景色、そしてお絵かきしてる人もいれば日向ぼっこしてる人もいる。そんな感じで細かいことは抜きにして写真でお楽しみくださいな。 さて、スオメンリンナ島から帰ってきてついにこの旅の終わりも近づきます。今夜22時くらいの夜行列車でオウルへ向かうのであります。ヘルシンキに戻ってきてから、まずは夜飯を変なファーストフードのケバブで済まし、そのあと時間もあるので国立現代美術館キアズマへ。キレイな建物だ。これまたどこぞの建築家さんが設計。周りをフィンランディアホール、ヘルシンキ中央駅(これも著名な建築家設計)、国会議事堂、郵便博物館などキレイな建物に囲まれている。キアズマというのは"交差"を意味するようで、これらを交差させるようにイメージされたそうで。美しい建物でした。そして、現代美術ってのは美しいと思うのですが、これはミーハーってやつなのでしょうか。美術心はおいらには分かりません。ただ見てて楽しいなーって思うのは現代美術の方が多い気がします。 そのあと、少しだけ時間があったもんで、キアズマ前でスケーター少年達がいたので混ざる。スケート持ってなかったけどね。いやー、見事にキッズ達で、みんな高校生以下だった。しかもめちゃくちゃうまい!スケート持ってなくて良かったなーとか思う笑。360フリップでステアから降りたりしてた。小学生くらいの子が…。がびーん。あの子達も大きくなったらやめてしまうのだろうか、あれだけ出来たら相当楽しいと思うんだけどな〜、もったいないもったいない。なんで海外の人はスケートがキッズのスポーツになってしまうんだろう。留学生も昔はやってたけど、今はやらないな〜って人がぽろぽろといるしさー。大人になってもやろうよ!下手でもやろうよ!その点、日本はスケート人口こそ少ない、できる場所も少ないけど、下手でも受け入れられる、歳いってても平気でできるっていう環境には恵まれてるね。 さて、スケート少年達とも別れて中央駅に向かいます。荷物を出して寝台車へ。20車両くらいある電車で、駅員さんに聞くと一番向こうの車両だよって言われテクテク歩く。どうやら一緒に歩いてた人の話によると、途中の駅で何回か切り離して、この電車は最終的には短くなるらしい。だからオウルなど遠くに行く人たちは前の方の車両になるんだそうだ。なるほど。 寝台はCopenhagen-Osloまでの寝台とは比べ物にならないほど快適だった。Copenhagen-Osloの寝台はひとつの部屋に3段ベッドが2組で、足も完全に伸ばせない、荷物を置くとこもない、頭ぶつけて座ることもできないで寝るしかなかったんだけど、今回の電車はベッドも広いし、通路もちゃんとあるし、なにより3段ベッドがひとつだったから余裕があった。しかもなんと部屋に一人。あいやー、寂しくもあるけど、まあ寝るだけだからいいかと即効で寝る。そして朝はまた寝坊して降り遅れそうになる。降り遅れるって言葉はあるのだろうか…。 さて、こうして留学前の旅はおしまいです。シンガポール、マレーシアでは良いアジアの旅を、デンマークでは2日間ではあったけど、存分に街を楽しみ、ノルウェーでは悪夢を見、フィンランドで癒される。とにもかくにも、フィンランドでの生活を楽しみにできるヘルシンキライフを送れてなによりです。これで、Oslo大学に留学とかだったら、おいらは日本に帰ってたかもよ。フィンランドは、コペンハーゲンほどの街の統合性は無いものの、オスロのように乱れてはおらず、ビルがあっても街に溶け込んでる印象を受けた。街の落書きやポイ捨てが圧倒的に少ないのも素敵だった。コペンハーゲンのようにあそこまでオシャレにされると、ちょっと身構えてしまうが、その点もフィンランドは落ち着いた雰囲気だ。やはり、この国、おいらに合ってるのかもしれない。これからの生活も楽しみだ。 終わり。 |
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